2015年2月12日に入院し翌13日に前立腺の全摘出手術を受け27日に退院して何とか家に帰ってくる事ができました。“無事かえる”ですね”
何時頃からでしょうか出張などの旅先で購入した蛙(無事帰る)とフクロウ(不苦労)ですが書籍棚の一部を埋める程になっています。所謂ゲン担ぎコレクションですね。
42年も働いて第二の人生を好きに生きたいと思ったときは60歳も後半の高齢者となって我が身体もポンコツに、そして知らずにパンドラの箱を蹴飛ばしてしまったかと思うほど色々な魔物が病となって現れる。
まあ~ホンマに歳をとるとはこう言う事?と実感するのですが、これから先はともあれ昨年から続いた一連の魔物退治劇も前立腺全摘出と言う手術により無事に終える事ができました、これを最終幕にしたいと言う思いもあって顛末をお話する事にした次第です。
「第3幕 前立腺の生検手術」
2007年から健診で測定していたPSA値、2013年の測定で2.38となり、しきい値が4.0とは言うものの気になり始めていたのですが2014年の人間ドックで測定された、しきい値を超えた4.37と言う結果にヤバイなあ~と言う気持ちもあって受診した泌尿器科。
医師から言われた前立腺生検手術を受け入れて入院したのが昨年の2月でしたか。
下半身麻酔での前立腺生検手術、ついでに診ましょうと膀胱鏡による膀胱の観察で発見された膀胱癌!この経緯は昨年に公開したブログでお話した通りですが膀胱癌については再発も無く安定し先ずは一安心となり、やっと当初の目的であった前立腺の生検手術を昨
年の11月に2泊3日の入院で受けたのでした。
昨年の2月から始まったこの戦い劇ですが今度で第三幕目、何回経験しても慣れる事はないでしょうね、10時に入院手続きをして病室へ、個室にしますか?と言われましたが個室に入ると出られなくなる!何て言う一抹の不安も過るものですから今回も4人部屋。
先人の方はお二人のご老人・・後で知ったのですが私の隣人は私より2歳も若い64歳の方でした、そうして着替えた病院の入院衣装、前回は自前の浴衣を持っての入院でしたが今はお金を払えば何でもレンタルで調達できます、ああ~これが簡単で良いや!!
入院当日は何もなし、昼と夜の病院食を食べ持参した本を読んでそしてTVを観て過ごし後は寝るだけなのですが翌日の事をどうしても考えてしまって、手術は午後1時ですから午前中に入院して午後手術の方が、気が楽かもしれません。
手術当日、午前中は何もありません、朝食は7時までに食べ終わって下さいと言う指示でしたから前日に院内のコンビニで買ったオニギリとお茶で済まします、病院食は7時過ぎの配膳ですから間に合いません、そうしてお茶などの飲み物は11時迄の制限でした。
後はジッと13時の手術に呼ばれるまでベッドで待機です、何とも慣れませんなあ~、 12時になって、そろそろ履いておくか!とエコノミーシンドロームによる下半身の血栓予防靴下を履く、下半身麻酔の手術ですから手術中はおろか麻酔が解ける翌日まで下半身は動きませんので脛の筋肉を圧迫する靴下を履いておくのです。
そうそう点滴の針も刺さっているのですが何時頃だったか??
さくらじいさん!行きましょうかと看護師さんが迎えに来ます。
じゃあ~行くか!点滴を吊るすキャスター付きの吊り支柱をさながら槍の如く左手に持ちイザ出陣!・・自分を鼓舞しないともちません。
手術室に入って下半身麻酔から始まった生検手術ですがプレイバックの様に膀胱鏡による膀胱の観察から開始です。
看護師さんが“さくらじいさんモニターは見ますか”勿論、見ます。
尿道を進む膀胱鏡そして膀胱の中へ・・いやあ~ドキドキものでしたが結果は良好で前回のカリフラワー状の異物も無く医師も大丈夫ですねえ~
ホンマにホッと一安心、先ずは良かった。
じゃあ~前立腺の生検を始めます。
手技そのものは見えませんので解りませんが超音波診断装置のプローブを肛門から直腸へ挿入し画像を見ながらの生検が始まり合計9か所の穿刺でサンプルを採ったのでした。
終了!さくらじいさん、止血のため肛門にガーゼを詰めますねえ~・・・・
夜に医師が来て出血が無いのを確認しガーゼを取ってくれたのは良いのですが麻酔が切れた夜半からジンジンと肛門に痛みが!あの痔になった時の痛さですね、我慢しきれずに点滴に痛み止めを入れてもらって取り敢えずは就寝したのです・・・・。
翌朝も痛かったのですが我慢できない程ではなかったので昼前には退院して我が家に帰宅。
それから一週間後の外来診療。
生検により採取されたサンプルの細胞診断結果は。
さくらじいさん、やっぱり居ました!9か所の採取で膀胱に近い方の4か所で認められました、悪人度は中くらいだね。
手術で全摘出するのが良いのだけれど先ずは前立腺のMRIと再度、転移が無いかを確認する必要がありますので年明け早々に骨シンチ・腎~膀胱の造影X線検査を受けて下さい。
それから、今後の治療に付いて考えて行きましょう。
想定内の前立腺癌でしたが、やっぱり残念感は拭う事ができませんでした。
来年も正月明けから試練が続きます。
「生検手術のおまけ」
生検手術の副作用とでも言うのでしょうか帰宅してからも肛門の痛みが取れず市販の薬を使ったのですがどうにも堪らん!!とインターネットで肛門科を探しホームページを出している丸亀市の病院を受診、肛門科は怖いなあ~と言う記憶があって嫌だったのですが化膿していたらと言う心配もあって覚悟の受診でした。
診察室に入って経緯を医師に説明し、では診てみましょう、パンツを下して診察台にお尻を出して横向きになり、どれどれ!とばかりにガーゼで肛門を消毒する感触が、突然!!何かにカバーされた指を肛門に突っ込んでグリグリ、痛ったた!先生!痛いっす!!気絶まではしなかったけど悶絶状態。
やれやれ一通りの診察が済んで医師の説明は、切れ痔ですなあ~
肛門に注入するタイプの薬と便を柔らかくする薬をもらって帰宅したのでした。
いっ!やあ~、やっぱり一番、恐れていた恐怖の診察、生検手術より痛い痔の治療がおまけ!に付くとは、いやはや・・・です。
「エックス線造影・MRIそして骨シンチ」
息子、娘夫婦そして孫との団欒を過ごした正月でしたが明けた早々の8日には転移が無いかを確認する為に外来で骨シンチと胸から下半身のMRI検査を行い13日には同目的で腎臓~膀胱のエックス線造影検査を行って結果の報告と今後の治療に付いて医師から説明がありました。
結果は「骨シンチ・・転移像は認められない」「MRI画像に異常個所は認められない」「エックス線造影画像にも異常個所は認められない」
さくらじいさん転移とか変な画像は認められないですねと主治医の話があり先ずは“ホッ”と一安心したのですが早期とは言え生検による細胞診断では癌細胞が確認されている。
今後の選択肢としては。
①
最近の新しい放射線治療(最新型のリニアック)・・野球の角さんが受けた治療ですね。
②
腹腔鏡による前立腺の全摘出手術
③
開腹による前立腺の全摘手術
主治医は本病院では①と②は出来ませんので①②を希望される場合には紹介状を書きます、当院では③の開腹手術による前立腺の全摘出になります!と言う。
診察室で我が脳はフル回転で結論をだそうとするのですが・・うっうう~ん
②の方法は何処ぞの大学?だったか病院で患者が死んでいるしなあ~
①の方法は・・あっ!そうだ俺は前立腺の肥大もあってオシッコがチョロチョロ、治療するには外科手術の対象だったんだなあ~
そんな事を考えると結局は③開腹による前立腺の全摘出しか!ないっかあ~
先生!開腹による前立腺全摘手術でお願いします・・と決断。
多くの症例数と実績を持っているのがやはり一番信頼できるし自由人となって時間を気にする事もないし傷口が大きくても関係ないし、まっ!懸命な選択肢であったと思っています。
では2月12日に入院して13日に手術をしましょう、そうですね~20日には抜糸をして23日のエックス線造影検査で尿道の吻合状態巣が確認できたら25日には退院と言う計画で致しましょう・・と決定したのでした。
「第4幕 開腹による前立腺悪性腫瘍手術」
前日の入院そして翌午後からの手術開始・・この流れは生検手術と同じなのですが違いは下半身麻酔ではなく全身麻酔による手術と言う事です。
12時30分、看護師さんが迎えに来て同じように点滴を吊った槍を片手にイザ出陣、勝手知ったる、手術室へのエレベーター。
手術部受付で慎重なる本人確認作業があり、いよいよ手術室へ入室。手術室は複数ありました。
手術台があって天井には無影灯が!そして手術担当看護師と麻酔科医スタッフが。
じゃあ~手術台に上がって下さいと促され踏み台に足を掛けて手術台に仰向けになる。
もう、ここまで来ると勢いでしょうか“ええ~い”と心の中で気合を入れるだけ、そして後は支持されるままに。
今回は全身麻酔だから腰への針刺しは無いものと思っていたのですが麻酔科医の女医さんが、手術後の痛みを緩和する為に微量な麻酔薬を連続して注入する針を背中に入れておきますねえ~と言う。
おい、おい!そんな話は聞いていないぞと心の中で叫んでみてもショウガナイ・・ハイっ!と返事をすると何のことは無い結局は腰椎麻酔と同じ手順があって正にダブル麻酔じゃあないですか。
最初の皮下麻酔が結構痛い!
手術後に痛いよりは良いか!この自動で麻酔薬を注入するユニットが外されたのは手術から4日後の事だったと、麻酔科の女医さんが病室に来て簡単に針を抜きますよう~と言って抜いてくれました。
さて本番の始まり!麻酔を掛けます~と言ってマスクを鼻と口に・・までは覚えているのですが・・・さくらじいさん、終わりましたよう~と呼ばれて目が覚める。
執刀して頂いた主治医の先生が、さくらじいさん手術は無事に終わりましたよ、と頭の横から顔を出し手に持った薬液に浸したものを見せて、これが摘出した前立腺です。
ああ~やれやれ終わったか
後は手術台からベッドに移されICUへ、飲まず食わずのICUを出て個室へ移ったのは2日後でしたか。
手術時間はと言うと手術室に入ったのが12時30分頃で女房の話では手術室から出てきたのは16時頃と言っていますので麻酔を含めて約3時間強と言ったところでしょうか。
個室には3日間居て以降は4人部屋に、何せ個室はビジネスホテル並みですからね、年金暮らしの自由人には4人部屋が相応と言うものです、色々と制約はありますが、我慢!ガマン。
後は吻合した尿道が巧く繋がっていれば25日には退院となっていたのですが23日に行った膀胱~尿道のエックス線造影検査で漏れが!じゃあ~と、26日まで日を置いて再度の造影検査を行うも漏れの度合いは少なくなったもののまだ漏れがあって完全ではないなあ~。
次は3月の5日にもう一度検査をしましょう、ええ~後一週間!・・ですか。
続けて主治医の先生が、退院しても良いなあ~外来で検査しましょう
結局は自然に治癒するまで待たなくてはならないと言う事の様で、膀胱からの管と蓄尿バックを付けたまま27日に退院したのでした。
こんな管を付けたままの退院なんてと思ったのですが3月5日まで病院に居るのもなあ~
入院期間中、冷蔵庫とTVで@1000円のカードを4枚も使ってしまいましたし。
こんな管と蓄尿バックを付けたままの退院なんて考えられますう~!キャスター付きの支柱は貸してもらえません。
27日に退院してから3月5日の外来造影検査までの7日間、自宅での事とは言え管が入ったまま、どうやって1日を過ごすのか、そして初日の就寝は出来るのか、とても不安でしたし精神的にも抜いてしまいたい衝動に駆られるのですが我慢、ガマンの長い一週間でした。
やっと迎えた3月5日の外来予約日、管が繋がった蓄尿バックを左手に持って、自家用車であるワゴンRを運転し医療センター泌尿器科を受診。
もう恥ずかしいなんて言う気持ちは何処かにすっ飛んでいて、早く検査して抜いてもらいたい!その一念でしたね、出血も無くなっていましたので大丈夫と言う自信もありましたから。
膀胱~尿道のエックス線透視による造影検査、漏れはないですね、管も抜きますと言って主治医の先生が管を抜いてくれました。
やれやれ、やっと自由の身になれた。
摘出した前立腺そしてリンパ節の細胞診断では、その悪人度は5段階の4と言う結果であり放置する期間が長かったら危なかったなあ~と言うのが正直なところです。
前立腺癌は進行度が遅い・・なんて言いますが、そんな言葉にのんびり構えたらいけません。
今後は万全を期す為に骨盤部位の放射線治療を行ってPSA値の推移を観察する事になると思いますが治療方針については次回の外来診療での血液検査結果で決めましょうと言う事になっています。
オシッコに関わる闘病劇も今回の第4幕をもって最終幕と勝手に決めつけているのですが病気と言う魔物から我が身を守る為には早期発見と早期治療しかない!そんな実感から人間ドックの重要性を皆様に訴えたい。
見つかったらどうしよう、怖い・・では我が身を守れません、早期に見つかったらラッキーではないですか、勇気をもって人間ドックを受診しましょう。
マジ・・・です。