エックス線CTによる造影検査を受けた翌々日に検査結果の説明と今後の治療方針について話を聞く為に泌尿器科外来を受診、恐る恐る診察室へ入り医師の前に座るのですがドキドキものです。
ディスクに置かれている液晶画面でCT画像のデータをクルクル回しながら観て開口一番、尿管、腎臓への転移や異常も認められませんねえ~。
そうですかあ~・・ここでもホッと一安心。
後はもう一回、尿道から内視鏡を差し込んで膀胱の観察と前回の切除箇所から正常組織へ広範囲にそして深く削り取って再度の細胞診断をしましょう。
そうして2回目の手術へと臨むのですが、もうこうなると怖いと言うより早く済まして良い結果が出ます様にと祈る気持ちの方が大きかったですね。
一回でも経験すると余計な不安って無くなるもので、腰椎から行う脊髄への下半身麻酔も最初の皮下麻酔のチクリッと言う痛さを我慢すれば後は無痛で言われるがままに進んでいくし箇所が箇所だけに初めは恥ずかしく情けない気持ちになったりしたのですが開き直りに近いでしょうか、そんな気持ちもなくなって膀胱内視鏡の画像を凝視して進行に集中している自分がいるのです。
流石に今回はカリフラワーに似た異物もなく前回の削り取った跡が見えます、そうして再度の削り取りと細胞の採取が行われ、そう1時間30分ぐらいでしょうか手術が終了しベッドで運ばれて入院の大部屋へ。
そうそう!今回は膀胱内壁を深く削り取ると言う事で手術中に足がビクッと動き膀胱に穴を空けてしまう危険性があり、それを防ぐ為に神経ブロックをしますと言われていたのですがその神経ブロックで足の感覚はゼロ同然、動かそうとしても動かない、これが解けたのは術後6から7時間後だったでしょうか、このまま動かなくなったらどうしよう!なんて言う不安もありましたが何とか少しずつ感覚が戻り指先が動く様になって、ここでもホッと一息。
まあ、色んな心配が、全てが素人の取り越し苦労なんですがね。
そうして翌日から前回と同じ様に3日間に渡り尿道から注入する抗がん剤治療が実施されて退院となった訳です。
前回は退院してから細胞診断の結果の報告を受けたのですが今回は入院中の夕方にさくらじいさん聞きましたか!と医師がやってきて細胞診断の結果を報告してくれました。
ホンマにドキドキものです。
『悪い顔をした』奴は居なくなっているので膀胱を温存して治療が出来ます。
ここでもホット一息、思わず医師の手を取って先生!“有難うございます”とシェイクハンドをしてしまいました。
退院後の治療方針は後日の外来診察で医師から計画と説明がなされる事になると思いますが方針としては、今回の手術でできた傷が癒える1か月後からBCGの薬剤を膀胱に注入して1時間放置する治療が日を空けて数回実施して最後に膀胱の観察を行うことになるでしょうと話がありました。
後は半年後か1年後の間隔で膀胱の観察と診断が行われるのだろうと想像しています。
因みにBCGは牛で作る結核菌の毒性を弱めたもので免疫療法と言うのだそうです又、治療と観察は全て外来診療です、局部麻酔なのかなあ~と思っているのですが、これは初体験になりますので、これはこれで新たな不安ですね。
真冬の気温で入院、それからたった6日しか経っていないのに退院したら春本番になっていていました。長い事、入院していた様な錯覚を覚えてしまいます。
今回は最悪の場合と言うものの膀胱摘出が想定される不安があったのですが主治医の腕で悪人顔が無くなり我が膀胱を温存して治療ができる、感謝!!です。
全く紙一重なのでしょうが幸運であったのは否めないです。
それにしても今回、見つからずに更に1年を経過したらと思うとゾッ!とします、でも膀胱って、がんマーカーもないし人間ドックの検査項目にも入っていない、唯一は尿検査なのでしょうか今まで簡単に尿コップに入れて出していたけれど、こんな重要な事を判断する検査であったとは驚きです、尿潜血なんてコップに取った尿を見ても判りませんからね。
何れにしても今回は色んな経験をしたなあ~、いやいや!まだ初体験は続くのです。
初めはブログにここまで私的な事を書いて良いのだろうかと迷いましたが、我々団塊世代の男子が抱える病気の一つとしてこの経験をブログに投稿する意味はある!早期発見の重要性と発見された時の不安解消の一助になればとの思いから書かせて頂きました。
我が兄貴、曰く何十年と不摂生をして精神的、肉体的に過酷な仕事を強いられて身体を酷使し続けたのだから、いい加減ポンコツになるのも当然だよ!今回のピンチ遭遇で説得力のある薀蓄でした。
だとすると人生の節目、ドックに入れて検査し修繕も、いやオーバーホールをしないとモチマセンね!! と言うか退職して一番最初にするべき事は金が掛かっても良いから入院しての人間ドック受診これが最優先でしょう。
藤沢修平 著 『三屋清左衛門残実録』を読んでその記憶から真似をして『さくらじい残実録』何て言うブログ名にしましたが三屋清左衛門は事件の解決に奔走するカッコいい隠居爺、それに比べて我が残実録は病との戦い!洒落にもならねえ~、カッコいい人生は中々に難しい。
オーバーホールされた身体を持って、もっとカッコいい明るい残実録を書きたいものです。